皆様こんにちは。広尾にある美容室HAIRSALON-Sです。

ヘアカラーの成分の中で最も重要なものの一つが 「ジアミン系染料」 です。特に 「パラフェニレンジアミン(PPD)」 は、ヘアカラー剤の発色と色持ちを決定する主成分として広く使用されています。
ここでは、ジアミンの化学的な特徴 や ヘアカラーのメカニズム について詳しく解説します。
1. ジアミンとは?
ジアミンとは、アミノ基(-NH₂)を2つ持つ芳香族化合物 のことを指します。ヘアカラーに使用されるジアミン染料は、主に酸化染料 に分類され、酸化剤(過酸化水素など)と反応することで発色する特徴を持っています。
ジアミン染料の中で最も一般的なものが パラフェニレンジアミン(PPD) です。PPDは酸化後に髪の内部で大きな色素を形成 し、染料が流れにくくなることで、色の定着と持続を可能にします。
また、PPD以外にも以下のようなジアミン系化合物が使用されることがあります。
パラトルエンジアミン(PTD)
オルトアミノフェノール(OAP)
メタアミノフェノール(MAP)
これらの化合物はPPDと似た性質を持ちますが、分子構造の違いにより、発色の仕組みや刺激の強さが異なります。
2. ジアミンの役割:ヘアカラーの発色メカニズム
① 髪の内部に浸透する
ヘアカラー剤に含まれるジアミン染料は、分子が小さい状態(モノマー) で存在し、髪のキューティクルを通過してコルテックス(毛皮質)に浸透します。
このとき、アルカリ剤(通常はアンモニア)がキューティクルを開く 働きをして、染料が髪の内部に入りやすくなります。
② 酸化剤との反応(重合反応)
ジアミン単体では発色しません。酸化染料は 酸化剤(オキシ、過酸化水素など) と反応することで発色します。
過酸化水素(H₂O₂)が分解 され、酸素(O₂)が発生
酸素がジアミンを酸化 させる
酸化したジアミンがカップラー(補助染料)と結合し、大きな色素分子を形成
③ 色素が髪の内部に固定される
酸化により形成された色素は、分子が大きくなるため、髪の内部から抜けにくくなり、長期間持続するカラーが実現 します。
また、カップラーの種類によって、染まる色が決定されます。
3. ヘアカラーの発色を決める「カップラー」との関係
ジアミンは、単体では黒や濃い茶色の色素しか作ることができません。しかし、カップラー(共重合剤) という成分と組み合わせることで、多様な色味を作り出すことができます。
カップラーには以下のような種類があり、組み合わせによって発色が変わります。
カップラー成分 | 発色する色 |
レゾルシノール | 赤・紫・オレンジ系 |
5-アミノオルトクレゾール | 赤・銅色(オレンジブラウン) |
2-メチルレゾルシノール | 青・緑系 |
例えば、ジアミン(PPD)に レゾルシノール を組み合わせると、赤や紫系の色味が強くなります。一方、2-メチルレゾルシノール を加えると、アッシュ系(青みがかった色)の髪色を作ることができます。
つまり、ヘアカラーの色味は、「ジアミン + カップラーの組み合わせ」 によって決まるのです。
4. ジアミンの酸化速度と色持ちの関係
ジアミン染料の酸化反応には時間がかかりますが、その酸化速度はカラー剤の処方によって調整 されます。
酸化が速い → 早く染まるが、退色しやすい
酸化が遅い → 染まるのに時間がかかるが、色持ちが良い
これを調整するために、カラー剤には 酸化促進剤や酸化抑制剤 も配合されています。
また、カラー剤に含まれる アルカリ剤の量が多いほど、染まりやすくなるがダメージが強くなる ため、適切なバランスが求められます。
5. ジアミンが含まれるヘアカラーの種類
ジアミン系染料は、主に 「永久染毛剤(酸化染毛剤)」 に使用されます。
ヘアカラーの種類 | ジアミンの使用 | 特徴 |
永久染毛剤(アルカリカラー) | あり | 髪の内部まで染まり、色持ちが良い |
ヘアマニキュア(酸性カラー) | なし | 髪の表面をコーティングするだけ |
カラートリートメント | なし | 少しずつ色が入るが定着は弱い |
ヘナカラー | なし | 植物成分で染める |
特に 白髪染めやファッションカラー(ブリーチを伴うカラー) には、ほぼ確実にジアミンが含まれています。
6. ジアミンと髪のダメージの関係
ジアミン自体は髪に直接ダメージを与えるものではありませんが、カラー剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素と組み合わさることで、髪に負担をかける ことがあります。
アルカリ剤がキューティクルを開く → 髪の内部が露出 酸化反応で髪のタンパク質に影響を与える
そのため、ジアミン系カラーを使用した後は、アフターケア(ヘアマスクやトリートメント) をしっかり行うことが大切です。
まとめ
ジアミンは、酸化染料の一種で髪の内部で発色する成分
酸化剤と反応して大きな色素を作り、色を定着させる
カップラーとの組み合わせで、多様な色味が作られる
ヘアカラーの色持ちや発色は、酸化速度やアルカリ剤のバランスによって決まる
ジアミンを含むカラーは長持ちするが、使用には注意が必要
ヘアカラーの仕組みを理解し、髪の健康を守りながらカラーを楽しんでください!
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